数あるコントラバス教則本の中からどれを選んでいいか分からない方の為に超定番の初心者のための教則本を厳選して4冊ご紹介します。4冊全てが20年以上指導経験のある私が実際にレッスンで使用してきた教材です。
ご紹介している教則本はクラシック奏法を学ぶために書かれた本ですが、ジャズベーシストにとってもとても参考になる教則本です。クラッシックコントラバス奏者の方は当然アルコで練習しますが、ジャズベーシストの方はピチカートで取り組んでも問題ありません。
シマンドル第1巻
概要
コントラバス教則本と言えばシマンドルです。世界で最も使用されているコントラバス教則本です。1840年生まれのフランツ・シマンドルが著者で歴史ある教則本です。現在でも多くの学習者に使用されており内容は本当に素晴らしいです。全てのベーシストのバイブル的教則本です。
特徴
ハーフポジションから第7ポジションまでを段階的に効率よく学習でき、フィンガリングも記載されているので分かりやすい内容となっています。
大きく分けて以下の三部構成になっています。
- 第一部 ハーフポジション〜第7ポジションの練習(メジャーキー)
- 第二部 ハーフポジション〜第7ポジションの練習(マイナーキー)
- 第三部 様々なBowingのパターン練習とオーケストラパート譜を使用した実践練習
効果
教則本の全てを弾けるようになるには相当の練習量が必要ですが音大生受験レベルの実力は身に付きます。ジャズベーシストは第一部をだけでも真面目に取り組めば最低限の基礎は身につき、ある程度の曲なら自身でフィンガリングを決めて弾けるようになります。
HIYAMAノート シマンドル習得のために
概要
シマンドルに追加でエチュードと加えた教則本がHIYAMAノートです。
シマンドルの第一部のエチュードは全て記載されていますが第二部と三部は記載されていません。
特徴
シマンドルと同じエチュードと著者の檜山薫氏のオリジナルエチュードが記載されています。記載されていますので、ハーフポジションから第7ポジションまでを段階的に効率よく学習できます。
効果
シマンドルでは補えない檜山氏のオリジナルエチュードが記載されていますので、更に高度なテクニックが身に付きます。
シマンドルに記載されているエチュードだけでも真面目に取り組めば最低限の基礎は身につき、ある程度の曲なら自身でフィンガリングを選んで弾けるようになります。個人的にはシマンドルをお勧めしますが、シマンドルの半分以下の価格で本格的な教則本を入手出来るのはありがたいですね。
うまくなろう!コントラバス
概要
元東京藝術大学コントラバス科教授の永島義男氏が著者です。非常に丁寧で細かい内容で国内発刊の教則本としては唯一無二の最高レベルです。
特徴
コントラバスがどういう楽器でどのような練習を実践すべきかが詳しく説明されています。
以下の内容が含まれています。
- 楽器と弓についての説明
- 音の出し方
- ポジション感覚を身につけ方法
- 基礎的なボーイングテクニック
- 応用練習
効果
シマンドルのようなエチュードをひたすら練習する教則本ではありませんが、今後練習を進めていく上での重要なヒントが沢山書かれています。テクニックはシマンドルで習得可能ですが、こちらの教則本の内容を理解して練習を行うことにより更にステップアップできるでしょう。
朝練コントラバス新版 毎日の基礎練習30分
概要
うまくなろう!コントラバスと同じ元東京藝術大学コントラバス科教授の永島義男氏が著者です。
特徴
こちらの教則本は上記の教則本に記載されている練習曲を抜粋した内容になっています。細かい説明は記載されていませんが十分な内容となっています。タイトルが毎日の基礎練習30分ですが、30分で終了する内容ではありません笑
こちらの教則本を丁寧に練習するなら1時間は必要です。個人的な意見ですが本気でレベルアップを目指すのなら基礎練習で1時間は必要と思います。日々の基礎練習のバイブルと言える教則本です。
効果
こちらの教則本とシマンドルを並行して行えばコントラバス中級者の仲間入りを果たせるでしょう。
まとめ
初心者の方のためのお勧めコントラバス教則本4選いかがだったでしょうか。どれもお勧めですが、シマンドルとうまくなろう!コントラバスの2冊があれば最初は十分です。真面目に練習すればかなりの実力が身に付きます。
最後に楽器の上達に関する話をさせてください。楽器上達を早めるコツは独学でやらないことです。特にクラシックは独学で上達する事は不可能に近いです。ブログやYoutubeで有益な情報収集を継続しながら信頼できる先生に師事して更なる高みを目指して頑張ってください!
こちらの記事ではジャズの教則本を紹介していますので合わせてご一読ください。