ジャズベース講座・理論編・Part15・ツーファイブ進行

ジャズベース講座理論編
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ジャズベース講座・理論編・Part15ではジャズで最も使用頻度の高いコード進行である『ツーファイブ』について解説します。

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ツーファイブとは

ツーファイブとは『Ⅱm7-Ⅴ7』となっているコード進行、言い換えると『2度ー5度』の関係になっているコード進行を意味します。曲のKeyはもちろん、Key以外でもⅡm7-Ⅴ7となっている箇所は全て『ツーファイブ』と定義付けが可能です。

ツーファイブになっている箇所を判断する為には音楽理論の基本である度数(音程)を理解している必要がありますので、不安な方はこの記事をご覧下さい。

ジャズベース講座・理論編・Part2・音程(度数)
音楽理論を理解するための基礎となる音程・度数を例題を挙げて詳しく解説しています。ベーシストはもちろん、他の楽器奏者にも分かりやすいい内容となっています。後半ではダウンロード可能な練習問題もありますので是非ご活用ください。

『メジャーツーファイブ』と『マイナーツーファイブ』

ツーファイブには『メジャーツーファイブ』と『マイナーツーファイブ』があります。

メジャーツーファイブは『Ⅱm7-Ⅴ7』、マイナーツーファイブは『Ⅱm7(♭5)-Ⅴ7(♭9)』というコード進行になっています。

注意事項としてマイナーツーファイブのⅤ7(♭9)の(♭9)部を省略してコードが記載されている場合があります。『Ⅱm7(♭5)-Ⅴ7』となっていても『マイナーツーファイブ』と認識して問題ありません。

ツーファイブワン

ツーファイブワンとは『Ⅱm7-Ⅴ7-ⅠMaj7』、またはⅡm7(♭5)-Ⅴ7(♭9)-Ⅰm7』を意味します。Ⅱm7-Ⅴ7で終わらず、1度に解決しているところがポイントです。

ツーファイブ進行というのは大きく分けて『Ⅱm7-Ⅴ7』と『Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ』の2種類パターンがあります。ツーファイブというと1度に解決している進行が『ツーファイブ』と勘違いしがちですが、『Ⅱm7-Ⅴ7』だけの進行でも『ツーファイブ』と定義付けが可能です。

実際のジャズスタンダード曲でも『Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ』となっている進行と同じくらい『Ⅱm7-Ⅴ7』進行が多くあります。

それではこれらの『ツーファイブ』をスタンダード曲を例に詳しく解説します。

Fly Me To The Moon

以下の譜面はジャズスタンダード曲のFly Me To The Moonです。

先ずはKeyのツーファイブを見つけてみましょう。この曲のKeyはCメジャーとなり、『Ⅱm7-Ⅴ7』に該当するコードは2〜3小節目のDm7-G7になります。(Dm7-G7は複数回出てきますが全て同じツーファイブです)

Key以外でもツーファイブになっている箇所がありますね。16・32小節目のBm7(♭5)- E7です。ここは次のAm7を1度と仮定したツーファイブとなります。E7の後ろに(b9)が省略されていますが、『Ⅱm7(♭5)-Ⅴ7(♭9)』という『マイナーツーファイブ』と認識して問題ありません。

Cセクションの3〜4小節目のEm7-A7もツーファイブになります。コードアナライズを出来る方ならEm7はⅢm7だからツーファイブとならないのでは?と思うかもしれません。しかし次の小節のDm7を1度と仮定するとEm7-A7もツーファイブと定義付け可能です。

(Am7とDm7を1度と仮定する事に関しては実践編のコード分析(アナライズ)時に詳しく解説します)

まとめるとFly Me To The Moonのツーファイブ箇所は以下になります。

  • Dm7-G7 メジャーツーファイブ
  • Bm7(♭5)-E7 マイナーツーファイブ
  • Em7-A7 メジャーツーファイブ

ツーファイブ進行の重要性

冒頭で記載したように、ジャズで最も使用頻度の高いコード進行である『ツーファイブ』ですが、ここでツーファイブ進行の重要性について解説します。

ツーファイブ進行というのはコード進行の定型パターンです。頻繁に使用されていることから、ツーファイブ時に使用するフレーズをストックしておくと演奏がグンと楽になります。

特にベースラインはお決まりのラインが幾つか存在しており、これらの定番ラインを覚えておくことは重要です。

アドリブソロで使用できる『ツーファイブフレーズ集』という教則本等をご覧になった事はないでしょうか?賛否両論あると思いますが、ベースラインと同様に、お決まりの定番ツーファイブフレーズをストックしておくと大いに役立つでしょう。

また、Keyを判断する際にもツーファイブを理解していると助けになります。ジャズスタンダード曲の最後は『Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ』となっている曲が多く、この部分がKeyを示している場合がほとんどです。例えばGm7(Ⅱm7)-C7(Ⅴ7)-FMaj7(Ⅰ)となっていたらKey=Fメジャーと判断できます。調号でもKeyの判別は不可能ではありませんが、最終判断はツーファイブのようなコード進行から読み取ります。

調号からKeyの判別する方法はこちらをご覧下さい。

ジャズベース講座・理論編・Part3・調(Key)について
ジャズベース講座・理論編・Part3・Key(調)について解説していきます。調号からのKeyの判別方法をサークル・オブ・フィフスも含めて詳しく解説しています。

まとめ

ジャズベース講座・理論編・Part15ではジャズで最も使用頻度の高いコード進行である『ツーファイブ』について解説しました。ここで押さえていただきたいポイントは以下になります。

  • 『ツーファイブ』とは『2度ー5度』の関係になっているコード進行を意味する。
  • 1度に解決しなくても『ツーファイブ』として成立する。
  • ツーファイブには『メジャーツーファイブ』と『マイナーツーファイブ』がある。
  • メジャーツーファイブは『Ⅱm7-Ⅴ7』、マイナーツーファイブは『Ⅱm7(♭5)-Ⅴ7(♭9)』というコード進行になる。
  • Keyの判別が可能になる。

ジャズベース講座・実践編ではアナライズを通じて様々なパターンのツーファイブを解説していきますが、先ずは『2度ー5度』の関係になっているコード進行を直ぐに判断出来るようになっているとスムーズに内容が理解できるでしょう。

ジャズベース講座・実践編・ガイドライン
『ジャズベース講座・実践編』は基礎編と理論編を終了した受講者さんを対象にした講座になります。実践編の概要を項目に分けて説明しています。
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