ベーシストの必須機材の一つであるプリアンプですが、この記事では『プリアンプって何?』『プリアンプって必要なの』『いつでも自分の好きな音色を出したい』というウッドベーシストの方の為に詳しく解説します。
エレキベースのお勧めプリアンプは以下で紹介しています。
持ち運びに便利なお勧めアンプヘッドは以下で紹介しています。
プリアンプはエレキベース向けの製品が多く、ウッドベースと相性の良いプリアンプは数少ないのが現状です。また、エレキベース用のプリアンプの情報は溢れていますが、ウッドベースに特化したプリアンプの情報は少ないと感じます。
記事の最後にジャズベーシストとして活動中の私が実際に使用して良かったお勧めプリアンプ5機種も合わせてご紹介します。是非参考になさってください。
プリアンプとは
ウッドベースからの音をアンプ等に出力する前に音量や音質を調整する機能を持つエフェクターです。簡単に言えばベースアンプに搭載されるVolume、Gain、Treble、Middle、Bassなどのイコライザー部分の機能をペダル型にしたエフェクターです。
プリアンプの必要性
ベースアンプに搭載されている機能のエフェクターならアンプだけを使えばいいのでは?という疑問が出ますがプリアンプを使用することにより以下のメリットがあります。
どこでも自分の音が作れる
スタジオやライブハウスのベースアンプは様々なメーカーのアンプが置いてあります。中には普段使い慣れたアンプとキャラクターが違う物もあるでしょう。自分のベースアンプを持参できれば一番良いですが現実的ではありません。そこで活躍してくれるのが持ち運びに便利なペダル型エフェクター『プリアンプ』です。
ベースアンプにプリアンプを繋げばベースアンプの個性は残しつつプリアンプで音質を調整して音を作ることが可能です。(後程説明するリターン差しにすればプリアンプの音をダイレクトに出力することが可能です)
プリアンプで作った音をベースアンプの種類に関係なく自分の音が出せるメリットは非常に大きいです。
DI機能
大きいライブ会場で演奏する場合はベース音の信号をPAに送り出力することがあります。この時にD.I(Direct Injection)機能を持つプリアンプを使用すると本来のサウンドを素ままに出力することが出来ます。 (今回ご紹介するプリアンプには全てD.I機能が搭載されています)
プリアンプの繋ぐ位置
インプット差し
基本的にはウッドベース→プリアンプ→ベースアンプのINPUT端子の順番に接続します。この繋ぎ方はベースアンプのEQ設定も出力に反映されます。ベースアンプの個性も活かしたい場合に有効な接続方法です。
センド/リターン差し
もう一つの繋ぎ方としてウッドベース→プリアンプ→ベースアンプのSEND/RETURN端子に接続する方法です。ベースアンプのINPUT端子ではなくSEND/RETURN端子に接続することでプリアンプの音をダイレクトに出力することが可能です。アンプとの相性が悪い場合に有効な手段となります。
ウッドベース用プリアンプ
エレキベース向けのプリアンプは歪み等の音色を変化させる物も多く、ウッドベースの本来の音色を損ねる場合があります。ウッドベースに適したプリアンプは原音重視のプリアンプを選択すると良いでしょう。
それでは私が実際に使用して良かったお勧めプリアンプ5機種をご紹介します。
FISHMAN / Platinum Stage EQ/DI Analog Preamp
ウッドベースのピックアップでお馴染みのFISHMANのプリアンプです。
- ギターとベースの両方に使用できるモデルでEQモードのスイッチで簡単に設定の変更が可能。
- トレブル、ミドル、ベースの3バンドEQにMid Frequencyが搭載。
- 直感的に幅広い音作りが可能。
- EQの反応も良く、少しつまみを回すだけで音の調整が可能。
- アンプの上に置いても邪魔にならないサイズで重さは0.3kg。
- 電源は9V電池、48Vファンタム電源、DC9Vアダプター(別売)に対応。(個人的にはノイズが出ない電池使用に対応しているのが嬉しいです)
- 出力にはXLR / DI端子が搭載。ライン出力にも対応。
Phil Jones Bass / PE-5
世界的に人気のあるベースアンプメーカーPhil Jones Bassから『PE-5 アップライト・エレクトリック両対応ベースプリアンプ』を紹介します。
PE-5の一番の特徴はウッドベースとエレキベース両方の使用を想定した、PJB初のベース用プリアンプです。高い感度設定によりウッドベース用のパッシブピエゾPUでも十分に増幅することができます。
5バンドEQが搭載されているのでより素早くサウンド・メイキングが可能です。通常のアウトプットに加えDIアウトも装備。グランドリフトやプリポストスイッチも備え現場の状況に合わせた柔軟な出力が選べます。
ユニークな特徴としてリチウムバッテリーを内蔵しており、DCもしくはUSB-Cで充電すれば外部電源無しでも最大8時間まで駆動することができます。
いつでもどこでも手軽に憧れのPJBサウンドを得られるお勧めのプリアンプです。値段もお手頃なのが嬉しいですね。
- 電源端子 DC9V(1A, センターマイナス仕様)
- 内蔵バッテリー リチウム2200mAh/3.7V(連続使用で約8時間)USB-C端子かDCジャックから約2時間でフル充電(過充電防止回路内蔵)
- サイズ 120(W) x 37(H) x 95(D)mm
- 重量 450g
aguilar ストンプ・ボックス・タイプ ベース用 プリアンプ/ダイレクト・ボックス TONE HAMMER
ベーシストに絶大な人気を誇るaguilarのプリアンプです。
同メーカーの人気プリアンプOBP-3が搭載されたペダル型プリアンプです。ヘッドアンプだと9万円弱しますが手軽に持ち運びが出来てこの値段でaguilarサウンドが得られるのは嬉しいですね。
- トレブル、ミドル、ベースの3バンドEQにMid Frequencyが搭載。
- 原音を重視しつつ直感的に幅広い音作りが可能。
- EQの反応も良く、少しつまみを回すだけで音の調整が可能。
- クリーンと歪みの2チャンネル仕様。(ウッドベースで歪みを使用する機会は少ないです)
- 1/4標準PHONE OUTとXLR / DI端子を完備しライン出力にも対応。
- 18V電源によるパワフルなサウンド。
- 電源は9V電池2個、 ファンタム電源、専用電源アダプター。
- 現代的なモダンベースサウンドメイキングが可能。
- FISHMANプリアンプと比べると一回り差いいずが大きく、重量もある。
EBS / Stanley Clarke Signature Acoustic Preamp
2本の楽器をシームレスに持ち替えたいベーシストにお勧めするEBS社のプリアンプです。(同社のベース用コンプレッサーエフェクターは特に有名ですね)
- EBS とレジェンドベーシスト、スタンリー・クラーク氏との共同開発。
- ウッドベースとエレクトリック・ベースを持ち替えて使用可能な独立2chプリアンプ。
- A/Bチャンネル 別々の入力でセッティングが可能で複数の楽器の持ち替え時に便利。両チャンネルのミックスも可能。
- チャンネルBは XLR マイク入力に切替が可能。(48Vファンタム電源使用可能)
- AUX入力でスマホ等からの音源を再生可能。
- ヘッドフォン出力があり自宅練習にも重宝。
- 出力にはXLR / DI端子が搭載。ライン出力にも対応。
- FX LOOPに外部エフェクターを接続可能。
- 電源は専用9V DCアダプターを使用。(電池使用不可)
ZOOM B6 Bass Multi-Effects Processor
ZOOM B6はプリアンプとエフェクターが内蔵されているベース専用のマルチプロセッサーです。プリアンプのみの機能を持った機材ではありませんが、こちらもウッドベースに相性が良く自信を持ってお勧めします。以下で詳しく解説しておりますので是非ご一読ください。
まとめ
お勧めウッドベース用プリアンプ4選のレビューはいかがだったでしょうか?今回ご紹介したプリアンプがどのようなベーシストにお勧めなのかまとめてみます。
- FISHMAN プリアンプとDI機能が必要で手軽に使用する。
- Phil Jones Bass プリアンプとDI機能が必要でウッドベースとエレキベースに使用する。PJBサウンドが好きなベーシスト向けのアンプ。値段もお手頃価格。
- agular プリアンプ機能に加えてよりパワフルなサウンドが必要。場合により歪みも使用。
- EBS エレキベースとウッドベースの併用やピックアップとマイクの使用で2チャンネル必要。
- ZOOM B6 プリアンプに加え複数のエフェクターが必要。エレキベースとウッドベースの併用。
今回ご紹介したものは全てウッドベースの原音を重視した音作りが可能なプリアンプばかりです。機会があれば是非お試しください。この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。