ジャズベース講座・理論編・Part14・ノンダイアトニックスケール

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ジャズベース講座・理論編・Part14ではノンダイアトニックスケールについて解説します。

メジャーと各マイナースケールのダイアトニックスケールとコードについては以下で詳しく解説しています。

ジャズベース講座・理論編・Part7・ダイアトニックスケール・コード
ジャズベース講座・理論編・Part7ではダイアトニックスケールとダイアトニックコードについて解説します。音楽理論を勉強されたことがある方であれば一度は聞いたことがあるスケール名ですよね。ジャズを学んでいく上で最重要項目と言える『ダイアトニックスケール・コード』を詳しく解説していきますので是非最後までご一読ください。
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Part7で解説したメジャーダイアトニックスケール・コードと同様に、ナチュラルマイナースケールの各音を基音(ルート)としたそれぞれのダイアトニックスケールとダイアトニックコードを解説します。
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ジャズベース講座・理論編・Part9ではメロディックマイナースケールのダイアトニックスケールとダイアトニックコードについて解説します。
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ノンダイアトニックスケールとは

ノンダイアトニックスケールとは、ダイアトニックスケール以外のスケールを意味します。

ダイアトニックスケールと同様にノンダイアトニックスケールもそれなりの種類がありますが、ポイントさえ押さえれば比較的楽に覚えられますのでご安心ください。

今回の解説では全てのコードに対応するノンダイアトニックスケールをリストアップしていきます。ケースバイケースで他のスケールも使用可能ですが(特にドミナントコード)、ベースラインを組み立てる際に使用するスケールを選んであります。アドリブソロでは更に選択肢が広がり複数のスケールを使用することが可能ですが、これについては実践編にて解説します。

コードについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

ジャズベース講座・理論編・Part5・コード
ジャズベース講座・理論編・Part5ではコードの基本である3和音(トライアド)と4和音を解説しています。コード一覧表もダウンロード可能ですので、是非ご活用ください。

それでは順番に見ていきましょう!

Major 7th(メジャーセブンス)

  • Lydian

Minor 7th(マイナーセブンス)

  • Dorian

Dominant 7th(ドミナントセブンス)

ノンダイアトニックのドミナントセブンスコードに対応する主なアベイラブルスケールは以下の6種類になります。

  • Mixo-lydian
  • Lydian Dominant
  • Mixo-lydian♭9♭13(Hmp5↓)
  • Mixo-lydian♭13
  • Altered
  • Half-Whole Diminish(コンビネーション・オブ・ディミニッシュ)

これら6種類の中からどのスケールが使用可能か判断する方法がありますので是非覚えてください。

ノンダイアトニックのドミナントセブンスコードに対応するアベイラブルスケールの導き出し方は以下の手順で行います。

  1. Keyの判別(曲のKey、または転調している場合は該当部のKeyで判断)
  2. 対象となるコードトーン(1・3・5度)の確認
  3. コードトーンに含まれない2・4・6度を加えることによって『スケール』として成立することから、Keyのアイオニアンで構成されている音を2・4・6度に充てる。
  4. コードトーンと2・4・6度音と加えたスケールの度数を把握して6種類のスケール(Mixo-lydian・Lydian Dominant・Mixo-lydian♭9♭13・Mixo-lydian♭13・Altered・Half-Whole Diminish)中からどれに該当するか判断する。

具体的な例をFly Me To The Moonのコード進行を元に解説していきます。

この曲のKeyはCメジャーでノンダイアトニックコードは7・8小節目のE7とA7になります。

先ずはE7から見ていきましょう。

  1. KeyはCメジャーになります。
  2. コードトーンはE・G♯・B・D
  3. 2・4・6度音をCアイオニアンの構成音から充てる→F・A・C音が該当する音
  4. コードトーンと2・4・6度音を加えるとE・F・G♯・A・B・C・Dという音で構成されたスケールが完成。
  5. スケールの度数を確認して6種類のスケールからどれに該当するか判断する。
  6. 度数の結果からこのスケールはMixo-lydian♭9♭13(Hmp5↓)となる。

次にA7を見ていきましょう。

  1. KeyはCメジャーになります。
  2. コードトーンはA・C♯・E・G
  3. 2・4・6度音をCアイオニアンの構成音から充てる→B・D・F音が該当する音
  4. コードトーンと2・4・6度音を加えるとA・B・C♯・D・E・F・Gという音で構成されたスケールが完成。
  5. スケールの度数を確認して6種類のスケールからどれに該当するか判断する。
  6. 度数の結果からこのスケールはMixo-lydian♭13となる。

ノンダイアトニックのドミナントセブンスコードは必ずと言って良いほどスタンダード曲にありますので、今回解説した内容を理解して手順を暗記するようにしてください。

Minor 7th♭5(マイナーセブンス・フラットファイブ)

  • Locrian
  • Locrian♮9(Super Locrian)

Minor Major 7th(マイナーメジャーセブンス)

  • Melodic Minor

Diminished 7th(ディミニッシュセブンス)

  • Diminished scale (ディミニッシュスケール)

Augmented Major 7th(オーギュメント・メジャーセブンス)

  • Ionian♯5
  • Lydian Augmented

Augmented 7th(オーギュメント・セブンス)

  • Whole Tone Scale (全音階)

Major 6th(メジャーシックス)

  • Ionian

Minor 6th(マイナーシックス)

  • Dorian
  • Melodic Minor

Dominant 7th SUS4(ドミナントセブンス・サスフォー)

  • Mixo-lydian

メジャー・ハーモニックマイナー・メロディックマイナーに含まれないスケール

リストアップしたノンダイアトニックスケールの中には、メジャー・ハーモニックマイナー・メロディックマイナーのダイアトニックスケールに含まれないスケールがありますので詳しく解説します。

Diminished scale (ディミニッシュスケール)

ディミニッシュスケールは8音で構成されている音階です。音の並びに規則性があり、このような音階をシンメトリカルスケール(Symmetriacl Scale)と言います。

ディミニッシュスケールには2つの種類があり、『ディミニッシュスケール』と『コンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール』に分かれます。

『コンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール』は『コンディミ』と省略して呼ばれるのが一般的ですので覚えておくといいでしょう。ただし海外では『Half-Whole Diminish Scale』と呼ばれます。『コンディミ』は和製英語なので海外では意味が通じませんのでご注意ください。

参考までに海外では以下のように呼ばれます。

  • 『ディミニッシュスケール』は『Whole-Half- Diminish Scale』
  • 『コンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール』は『Half-Whole Diminish Scale』

考え方次第では2つのスケールは同じ音階なのですが、ここでは分けていきます。

  • ディミニッシュスケールはディミニッシュコードで使用。
  • コンビネーション・オブ・ディミニッシュスケールはドミナントコードで使用。

ここで解説するスケールは『ディミニッシュスケール』となります。『コンビネーション・オブ・ディミニッシュスケール』はアドリブソロ時に多用するスケールですので、実践編にて詳しく解説します。

それでは『ディミニッシュスケール』について解説します。このスケールは各音の音程が全音と半音とういう規則性のある音階です。

全音・半音という法則でディミニッシュスケールを理解することも可能ですが、実はCdim7コードとDdim7のコードトーンが交互に組み合わさったスケールと認識するといいでしょう。

理解して弾きこなせるまで時間が必要と思いますが非常に重要なスケールです。根気よく練習しましょう。

Whole Tone Scale (全音階)

Whole Tone Scaleはそれぞれの音の間隔が全音で構成された6音から成るスケールです。ディミニッシュスケールと同様に規則性があるのでシンメトリカルスケール(Symmetriacl Scale)となります。

Augmented 7th(オーギュメント・セブンス)時に使用可能なスケールです。

ホールトーンスケールの響きを理解するにはWayne Shorter作曲の『Juju』を聴いてみてください。

まとめ

ジャズベース講座・理論編・Part14ではノンダイアトニックスケールについて解説しました。

『ダイアトニックスケール』と同様に『ノンダイアトニックスケール』を理解していなければベースラインやソロを組み立てることが困難になります。

これらのスケールを本当の意味で理解出来て、弾けるようになるには沢山の曲を練習することが必要です。実践編ではスタンダード曲を題材にスケールやコードをより深く掘り下げていきますのでご期待ください。

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