プレーヤー自身で行う ウッドベース調整・メンテナンス・管理

コントラバス 弦高測り方 ベース関連
お気軽にフォローください

ウッドベースは気温や湿度の影響を非常に受けやすく少しの事で状態が変化します。大切な楽器を守るための調整・メンテナンス・管理方法を知っておくとベストコンディションの状態を保てるようになります。この記事ではプレーヤー自身で出来る簡単なメンテナンスをご紹介します。

スポンサーリンク

ジャズ or クラシック用セッティング

専門店で販売されている楽器は直ぐに演奏可能な状態に調整してありますが、ジャズまたはクラシック向きのどちらかのセッティングになっている場合がほとんどです。楽器を購入する場合は楽器が自分の演奏するジャンルに合うように調整してもらう事を忘れずにお願いしましょう。

弦高

ジャズ、またはクラシックの楽器調整の違いですが、大きく異なる点は弦高と使用する弦の種類です。

弦についてはこちらの記事をご覧下さい。

ウッドベース弦の選び方
ウッドベース・コントラバス弦の種類を素材・奏法・ジャンル別に詳しく解説。ジャズウッドベーシストとクラシックコントラバス奏者に実際に使用されている弦をリストアップしております。弦の購入ガイドとしてご参考になさってください。

弦高の調整は極めて重要で、ジャズ演奏に適した高さはG弦で5mm、D弦6mm、A弦7mm、E弦8mmが弾きやすいセッティングです。(弦高を計る場所は指板の先端です)好みで±1~2mmの高さでも問題ありません。個人的にはG弦が7mm以上あるとジャズ演奏に適してないと考えます。

クラシックはジャズの弦高よりプラス2~3mmにセットアップするのが一般的です。

弦高の測り方

アジャスター

弦高を変える場合は専門店で調整してもらってください。その際にアジャスターという部品を駒に取り付けると気温や湿度で微妙に変化する弦高を調整するのに便利です。

アジャスター写真

アジャスターを取り付けることによって僅かに音量と音色に変化がありますが、いつもベストな弦高を保てるメリットがあります。ただし、クラシックを演奏する方はアジャスターを取り付けないプレーヤーが大多数を締めます。生音に影響が出るのを防ぐ為に弦高を変える場合は駒を削るか、駒自体を交換します。

値段はアジャスターと本体と工賃込みで3万円前後が相場です。素材は木、真鍮、アルミ等があり、音色や音の伝わり方が違います。

アジャスターとピックアップの機能を両方備えた物も存在しています。私も使用しているこちらのFISHMAN FULL CIRCLEは音質がナチュラルでお勧めです。このピックアップは取り付け部分のサイズが3種類有りますので購入される方は事前にご確認下さい。

FISHMAN JAPAN | Full Circle Upright Bass Pickup
TheLeadingBrandinAcousticInstrumentPickups,ElectricGuitarPickups,AmplifiersandPreamps
FISHMAN ( フィッシュマン ) / Full Circle Upright Bass Pickup

 ナット

ナット(上駒)の高さも注意が必要です。専門店で調整された楽器なら問題ないと思いますが、高すぎるとローポジションが押さえにくく、低いと弦がビビってしまいます。問題がある場合は専門店にて調整してください。

駒は細心の注意を払う必要があります。駒は弦の圧力で固定されていますが、少しぶつけただけで意外と動きやすく、頻繁に楽器を運んでいる方なら更に注意が必要です。駒がズレた場合、初心者の方は専門店で調整お願いした方が無難です。その為にも大まかな駒の位置の把握はしておいた方が良いでしょう。

正面から見た駒の位置

駒の問題で一番多いのが反りです。駒は表板に対して直角に立ってる必要があり、少しでも角度がずれていたら弦の圧力でどんどん曲がって行きます。駒が曲がってしまった場合は交換しか手段がありません。定規を使うと角度を判断しやすいので日頃からチェックする習慣をつけてください。

駒の角度チェック

魂柱

魂柱(表板と裏板の間に挟まっている棒)にも注意が必要です。fホールから魂柱が見えるので大体の位置を把握しておいてください。

コントラバス魂柱

魂柱は弦の圧力で挟まっている状態を保つことができています。弦を緩めたり気温の変化で木が伸縮するとズレたり倒れたりする場合があります。そうなった場合は弦を緩めて駒を外してください。弦の圧力で表板が窪んでしまいます。魂柱は職人さんでなければ調整できません。魂柱立ては必ず専門店にてお願いしてください。

弦交換の頻度

弦交換の頻度は一般的に1年に1回程度と言われていますが、余程こだわらない限りは2年に1回程度でも全く問題ありません。弦の表面が削れてきたなどの問題が発生しなければ切れない限り何年でも使用可能です。新品弦の音はギラついていて、むしろ古い弦の音が好きという意見もあるくらいです。とは言ってもメーカーによっては古くなるとチューニングの安定感が無くなりますので、2年に1回程度の交換をお薦めします。弦についてはこちらの記事で詳しく解説していますので合わせてご一読ください。

ウッドベース弦の選び方
ウッドベース・コントラバス弦の種類を素材・奏法・ジャンル別に詳しく解説。ジャズウッドベーシストとクラシックコントラバス奏者に実際に使用されている弦をリストアップしております。弦の購入ガイドとしてご参考になさってください。

保管場所

楽器の保管場所は人が快適と思える場所がベストです。夏場の車内に置きっぱなしは絶対NGです。乾燥も大敵ですので冬場はダンピット等の保湿アイテムを利用して楽器の割れ、剥がれを防いでください。乾燥が酷い真冬はダンピット2つあると更に安心です。

まとめ

ウッドベースはとてもデリケートな楽器で、少し状態が悪くなるだけで鳴りが変わってきます。日頃からマメにチェックしてあげることによって常にベストな状態をキープできると思います。もし解決が出来ない問題が発生したら専門店に調整を依頼しましょう。この記事が参考になれば嬉しいです。

タイトルとURLをコピーしました