ジャズベース講座・実践編・Part6・There Will Never Be Another You ベースライン

ジャズベース講座実践編
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ジャズベース講座・実践編・Part6では、Part4・5と同じく『コードトーン』・『スケールトーン』・『パッシングトーン(経過音)』の3要素を使用してジャズベースの基本である2ビート・4ビート(walking bass)を組み立てる方法を解説します。

Part4ではFly Me To The Moon、Part5ではAll Of Meのベースラインについて解説しています。こちらも是非チェックしてみてください。

ジャズベース講座・実践編・Part4・Fly Me To The Moon ベースライン
ジャズベース講座・実践編・Part4では、『コードトーン』・『スケールトーン』・『パッシングトーン(経過音)』の3要素を使用してジャズベースの基本である2ビート・4ビート(walking bass)を組み立てる方法を詳しく解説します。
ジャズベース講座・実践編・Part5・All Of Me ベースライン
『コードトーン』・『スケールトーン』・『パッシングトーン(経過音)』の3要素を使用してジャズベースの基本である2ビート・4ビート(walking bass)を組み立てる方法をジャズスタンダード曲のAll Of Meを題材に解説します。
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はじめに

ジャズスタンダードのThere Will Never Be Another Youのベースラインについて説明しますが、まずはこの曲のコードアナライズを終えている必要があります。ジャズベース講座・実践編・Part3を理解した上で今回のPart6に取り組んでください。

ジャズベース講座・実践編・Part3・There Will Never Be Another Youコード分析
ジャズベース講座・実践編・Part3ではThere Will Never Be Another Youのコード分析(アナライズ)について解説します。取り上げる内容として、Keyの判別、ダイアトニックコードとノンダイアトニックコードの分別、各コードに対応するスケールの把握、各コードに度数名(Degree Name)を付ける、Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ等のコード進行を把握。アナライズをすることによって曲の全体像を把握して正確に演奏することが可能になります。

2ビート・4ビートとは

『2ビート』は『2フィール』とも呼ばれ、2分音符主体のベースラインです。

『4ビート』は『4フィール』、『ウォーキングベース(walking bass)』とも呼ばれ、4分音符主体のベースラインです。一昔前はランニングベースとも呼ばれていましたが、現在では殆ど使う人はいません。

この『2ビート』と『4ビート』がジャズベースラインの基本となります。

豆知識として、日本では『2ビート』『4ビート』と言われるのが一般的ですが、海外では通じません。『2フィール』『4フィール』『ウォーキングベース』と呼ばれます。

ベースラインの基礎知識

ジャズに限らず、ベースラインは以下の3つの要素で構成されています。

コードトーン

コードの構成音だけで組み立てるベースライン

コードトーン +スケールトーン

コードトーンとスケール音(2・4・6度を意味します)で組み立てるベースライン

コードトーン +スケールトーン+経過音 (パッシングトーン)

コードトーン、スケール音、経過音で組み立てるベースライン

この記事では上記の3要素を全て使用したベースラインの組み立て方を解説します。

4ビートベースラインにおける重要ポイント

4ビートを組み立てる際に押さえておくべき重要なポイントを押さえておきましょう。

  • 1拍目は基本的にコードのルート音を使用
  • ルート音以外に3度・5度音も1拍目に使用可能だが、2〜3割程度にする
  • コードの7度音は1拍目に使用しない
  • 1・3拍目は強拍となるので基本的にコードトーンを使用する

コードトーンだけで構成された4ビート

コードトーンで4ビートラインを練習する準備として、各コードの基本形(Root→3度→5度→7度)を間違えずに弾ける事が重要です。コードが2拍で変わる小節はRoot→5度で弾きましょう。

コード転回形とボイスリーディングを用いたベースライン

次にコード転回形でベースラインを弾いてみましょう。コードが変わる箇所はなるべくボイスリーディングをします。また、各コードの1拍目はなるべくルート音を使用しましょう。(全体の7〜8割程度がルート、2〜3割が3度か5度音を使用する)

コードの転回形については以下の記事をご覧ください。

ジャズベース講座・基礎編・Part18・コード練習
ジャズベース講座・基礎編・Part18ではこれまで学んだハーフポジションから第7ポジションまでを使用したコードの練習方法について取り上げます。『コード練習』は音楽の重要な要素であるハーモニーを理解して習得するために行います。ジャズのベースラインではルートだけでなく、全てのコードトーンを使用してラインを組み立てます。音の理解だけでなく、ポジションやフィンガリングなど総合的に把握できる内容となっています。 ここでご紹介する練習はコードを立体的に理解して演奏できる内容となっています。『手癖でいつも同じベースラインを弾いてしまう』というお悩みを持つベーシストさんには必須の練習メニューです!

ボイスリーディングに関しては以下をご覧ください。

ジャズベース講座・実践編・Part4・Fly Me To The Moon ベースライン
ジャズベース講座・実践編・Part4では、『コードトーン』・『スケールトーン』・『パッシングトーン(経過音)』の3要素を使用してジャズベースの基本である2ビート・4ビート(walking bass)を組み立てる方法を詳しく解説します。

コードトーンとスケールトーンで構成された4ビート

次にコードトーンとスケールトーンで構成された4ビートベースラインです。コードトーンのみのベースラインと比べて音飛びが少なく、なだらかなラインになるのが特徴です。

以下のラインでは『5度→1度(ルート音)で音を繋ぐ手法』と『ボイスリーディング』も使用しています。

5度→1度(ルート音)で音を繋ぐ手法』についてはこちらをご覧下さい。

ジャズベース講座・実践編・Part5・All Of Me ベースライン
『コードトーン』・『スケールトーン』・『パッシングトーン(経過音)』の3要素を使用してジャズベースの基本である2ビート・4ビート(walking bass)を組み立てる方法をジャズスタンダード曲のAll Of Meを題材に解説します。

5度→1度になっている箇所は丸で囲ってあります。

コードトーン・スケールトーン・パッシングトーンで構成された4ビート

4ビートの最後はコードトーン、スケールトーン、パッシングトーンで構成されたベースラインです。コードトーンとスケールトーンのベースラインと比べて更に音飛びが少なく、なだらかなラインの構築が可能となります。

パッシングトーン(経過音)とは

パッシングトーン(経過音)とは、ターゲット音に対して半音上、または半音下で繋がっている音で、基本的にコードトーンとスケールトーンに属さない音になります。

経過音になっている箇所は丸で囲ってあります。

2ビートベースラインにおける重要ポイント

2ビートを組み立てる際に押さえておくべき重要なポイントを押さえておきましょう。

  • 基本のリズムは2分音符が主体だが、様々なリズムパターンがある
  • 1拍目は基本的にコードのルート音を、3拍目はコードの3・5度音を使用
  • 1拍目はルート音以外に3度・5度音も使用可能だが、2割程度にする
  • コードの7度音は1拍目に使用しない
  • 1・3拍目は強拍となるので基本的にコードトーンを使用する

コードトーンだけで構成された2ビート

コードトーンだけでも様々なリズムを使用すると立派なラインを構築することができます。

コードトーンとスケールトーンで構成された2ビート

コードトーンとスケールトーンで構成された2ビートベースラインです。コードトーンのみのラインよりもなだらかなラインが構築可能です。

コードトーン・スケールトーン・パッシングトーンで構成された2ビート

2ビートの最後はコードトーン、スケールトーン、パッシングトーンで構成されたベースラインです。コードトーンとスケールトーンのベースラインよりも自由度の高いラインの構築が可能となります。

全ての要素が含まれた2ビート・4ビート

最後に今回解説した『コードトーン』・『スケールトーン』・『パッシングトーン(経過音)』の3要素が含まれた2ビート・4ビートベースラインを1コーラスずつアップしておきます。ダウンロードも可能ですので参考になさってください。

There Will Never Be Another You 4ビート

There Will Never Be Another You 2ビート

まとめ

今回は『コードトーン』・『スケールトーン』・『パッシングトーン(経過音)』の3要素を使用してジャズベースの基本である2ビート・4ビート(walking bass)を組み立てる方法をジャズスタンダード曲のThere Will Never Be Another Youを題材に解説しました。

最初は即興で弾くことは難しいと思いますので、色んなラインのパターンを譜面に書いてアイデアをまとめることをお勧めします。その後bpm=60程度でクリックやマイナスワン音源を鳴らして弾いてみましょう。先ずは書いたラインを見ながら弾いても良いですが、慣れてきたらコード譜だけでトライしてみましょう!

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