ジャズベース講座・理論編・Part3・Key(調)について解説していきます。
Keyを判別する為に音程の知識が必要ですので、音程に自信がない方はこちらからご一読ください。
Key(調)とは
ジャズを含む殆どのポピュラー音楽は調性というのが存在します。メロディーと和音(コード)が中心音と関連して曲が構成されている音楽を調性音楽と言います。普段私達が耳にする音楽の殆どが調性音楽です。無調性音楽というのも存在しますがここでは割愛します。
調性音楽にはKey(調)が存在します。曲の高低をKeyで表す仕組みで、♯や♭を使用してKeyを決定します。『Cメジャー』や『ハ長調』など音楽の授業で習った記憶があるのではないでしょうか?実はこれがKeyを表しているのです。
身近な例で説明すると、カラオケで自分の声と流れる曲が高い・低い場合には機器で操作して伴奏曲の高低差を変えますよね?あれは自分の声に合うようにKeyを機器で変えているのです。
ここまでの解説をまとめると以下になります。
- 音楽には調性がある
- 調性音楽にはKeyが存在する
まずはこれを押さえておきましょう!
Keyについて
表記
『Cメジャー』や『ハ長調』のようにKeyは国やジャンルによって様々な呼び方があります。ジャズやポピュラー音楽ではアルファベット表記になりますので『Cメジャー』のように表します。
Keyの数
Keyは12Keyに分類されます。これは1オクターブ内に音が12音あることに関係があります。
Keyの種類
明るい雰囲気が特徴のmajor key(メジャーキー)と暗い雰囲気が特徴のminor key(マイナー)の2種類があります。
Keyの判別・概要
Keyの判別方法として以下の2つがあります。
調号から判別
調号とは楽譜の冒頭にあるヘ音記号やト音記号の隣についている♯と♭を指します。これらがいくつ付いているかによってKeyが判別できます。
曲のコード進行から判別
Keyの種類で説明しましたが、Keyにはメジャーとマイナーがあり、上記の調号からKeyを判別する手段だとメジャーかマイナーKeyの判断はできません。そこで次に必要な手順として曲のコード進行を見て最終的なKeyの判断をします。
以下の記事でコード進行からKeyを判別する方法を解説していますのでご覧下さい。
調号一覧表
判別方法の解説前にまずは調号の一覧表をご覧下さい。
このように1種類の調号でメジャーとマイナーKeyを表す事ができますが、調号だけではここまでしか判別できません。例えば♯1つではKeyはGメジャー、もしくはEマイナーということになりますが、最終的にどちらかのKeyになるかはコード進行を見て判断します。
(こちらのPart3では調合からの判別方法のみ解説します。コード進行からKeyを判別する為にはコードはスケールの知識が必要となりますのでここでは割愛します)
平行調
同じ調号で表記されるメジャーとマイナーKeyの関係を平行調と言います。平行調とはKeyを構成するスケール音が同じで、開始する音によってメジャーとマイナーKeyになる事に関係しています。
詳しくはスケールにて解説しますが、簡単に説明するとCメジャースケールのC音を基準とするとCメジャースケールになりKeyはCメジャー。A音を基準にするとAナチュラルマイナースケールとなりKeyはAマイナーになります。
調号からのKeyの判別方法
それではKeyの判別方法について解説していきます。
調号無しのKeyを暗記
最初に調号無しのKeyがCメジャー/Aマイナーと覚えてください。
なお今後の解説は分かりやすくする為にマイナーKeyは省略してメジャーKeyに焦点を当てて解説します。平行調のマイナーKeyの確認は調号一覧表からご確認ください。
♯系は完全5度
♯系はKey=Cから完全5度ずつKeyが変化し、♯が付く音もF♯から完全5度上の音に付く。これを必ず暗記しましょう!
具体的には以下のようになります。調号一覧表を見ながら確認してください。
♯1つはKey=Cから完全 5度上のKey=GメジャーになりFに♯が付く。
♯2つはKey=Gから完全 5度上のKey=DメジャーになりFとCに♯が付く。
♯3つはKey=Dから完全 5度上のKey=AメジャーになりF、C、Gに♯が付く。
♯4つはKey=Aから完全 5度上のKey=EメジャーになりF、C、G、Dに♯が付く。
♯5つはKey=Eから完全 5度上のKey=BメジャーになりF、C、G、D、Aに♯が付く。
♯6つはKey=Bから完全 5度上のKey=F♯メジャーになりF、C、G、D、A、Eに♯が付く。
♯7つはKey=F#から完全 5度上のKey=C♯メジャーになりF、C、G、D、A、E、Bに♯が付く。
♭系は完全4度
♭系はKey=Cから完全4度ずつKeyが変化し、♭が付く音もBから完全4度上の音に付く。これを必ず暗記しましょう!
具体的には以下のようになります。調号一覧表を見ながら確認してください。
♭1つはKey=Cから完全 5度上のKey=FメジャーになりBに♭が付く。
♭2つはKey=Gから完全 5度上のKey=B♭メジャーになりBとEに♭が付く。
♭3つはKey=Dから完全 5度上のKey=E♭メジャーになりB、E、Aに♭が付く。
♭4つはKey=Aから完全 5度上のKey=A♭メジャーになりB、E、A、Dに♭が付く。
♭5つはKey=Eから完全 5度上のKey=D♭メジャーになりB、E、A、D、Gに♭が付く。
♭6つはKey=Bから完全 5度上のKey=G♭メジャーになりB、E、A、D、G、Cに♭が付く。
♭7つはKey=F#から完全 5度上のKey=C♭メジャーになりB、E、A、D、G、C、Fに♭が付く。
Circle Of Fifth/Fourth
♯系は完全5度、♭系は完全4度というKeyの変化を表で示したのをサークル・オブ・フィフス(フォース)と言います。この表のように理解出来ればKeyの判別が直ぐに可能となります。
まとめ
ジャズベース講座・理論編・Part3・Key(調)について解説しました。今回の内容をまとめると、
Keyの判別方法は以下の2つがある。(今回は1番の調号から判別する方法を解説しました)
- 調号から判別
- 曲のコード進行から判別
判別に必要な暗記事項は以下の3点になります。
- 調号無しのKeyがCメジャー/Aマイナー
- 系はKey=Cから完全5度ずつKeyが変化し、♯が付く音もF♯から完全5度上の音に付く
- ♭系はKey=Cから完全4度ずつKeyが変化し、♭が付く音もBから完全4度上の音に付く。
以上がまとめになります。Key(調)の知識は必ず必要となりますので何度も読み返してマスターしてくださいね。
次回ジャズベース講座・理論編・Part4ではスケールの解説をします。