ジャズベース講座・実践編・Part10ではトライアドについて解説します。
トライアドとはコードの三和音を意味します。ベースラインを構築する上でトライアドは最も重要な要素ですが、トライアドは様々な楽器のプレイヤーがアドリブソロでも多用しています。
トライアドを制するものはジャズを制する!と言っても決して大袈裟ではありません。
ジャズベース講座・基礎編Part20では『基礎編』として、ダイアトニック・トライアドの基礎練習方法を解説していますので、先ずはそちらから取り組んでください。
この実践編Part10では『応用編』として、ダイアトニック・トライアドを実際の演奏で使用する方法を解説します。どうぞ最後までお付き合いください。
トライアドが使用されているケース①
ベーシストにとって、トライアドの最も使用頻度が高いのはベースラインです。ジャンルを問わず、様々なベースラインでトライアドが使用されています。ここではFブルースのWalking Bassラインを例として挙げておきます。
トライアドが使用されているケース②
トライアドがメロディーの一部として使用されている曲も多数あります。チャーリー・パーカー作曲のConfirmationを例に見てみましょう。
冒頭からの24小節だけでも6箇所トライアドが使用されていることが分かります。
トライアドが使用されているケース③
アドリブソロにおけるトライアドの例として、ジョン・コルトレーンの代表曲、『Mr. P.C.』でコルトレーンのソロがあります。(Youtube音源の3:00〜3:06が譜面の部分になります)
トライアドで全て構成されているのが分かります。
アドリブソロでトライアドを使用
ここまでの解説でトライアドの重要性をご理解いただけたと思いますので、次はトライアドでアドリブソロの練習をしましょう。スタンダード曲のSo Whatで取り組みます。
So Whatのアナライズ・walking bass lineとモードについては別記事で解説していますので、合わせてご覧下さい。
記載のコードは使用しているダイアトニックコードを表しています。A、B、DセクションはKey=Cメジャーのダイアトニックコードを、CセクションはKey=D♭メジャーのダイアトニックコードを使用しています。
①基礎練習
ダイアトニックトライアドを順番に弾く練習です。
②リズムにバリエーションを付ける
①にリズムバリエーションを加えて練習します。
③転回形
トライアドの基本形だけでなく、第1転回形、第2転回形を組み合わせて弾けるようにしましょう。コード転回形については以下で解説しています。
④ボイスリーディング
次のトライアドに対して可能な限りボイスリーディングもしてみましょう。
ボイスリーディングについては以下で解説しています。
⑤ランダムにダイアトニックトライアドを配置する
①の基礎練習のように規則的にダイアトニックトライアドを弾くのではなく、ランダムにトライアドを配置して、より音楽的にアプローチしましょう。
以下は③〜⑤の要素を加えた例になります。
実際のアドリブソロを全てトライアドだけで構築することはありませんが、とても良い練習になりますので、是非トライしてみてください。
まとめ
ジャズベース講座・実践編・Part10ではトライアドについて解説しました。
ベーシストにとって最も使用頻度が高いトライアドは、ベースラインだけでなく、音楽全般で多く用いられている重要な要素です。アドリブソロや作曲などにも積極的に使用してみてください。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。