ジャズベース講座・基礎編・Part20ではトライアドの練習方法について取り上げます。
トライアドとはコードの三和音を意味します。ベースラインを構築する上でトライアドは最も重要な要素ですが、トライアドは様々な楽器のプレイヤーがアドリブソロでも多用しています。
トライアドを制するものはジャズを制する!と言っても決して大袈裟ではありません。
今回のPart20では『基礎編』として、ダイアトニック・トライアドの基礎練習方法を、実践編のPart10では『応用編』として、ダイアトニック・トライアドを実際の演奏で使用する方法を解説します。
トライアドについては以下で解説しています。
エクササイズ譜面はページ下からダウンロード可能ですので是非ご活用ください。
練習によって得られる効果
ダイアトニック・トライアドの練習によって得られる効果は以下が挙げられます。
- コードトーンを理解することによってベースラインやソロを弾くための基礎を習得
- ポジション・指板の理解
- 正しいフィンガリングの習得
- 指の強化
- 音量・音色の確立
- 音程・音感の向上
練習時の注意点
練習の効果を上げる為に以下項目を実践してください。
- 何のコードを弾いているか確認しながら弾く。(これが一番重要です)
- 何の音を弾いているか確認しながら弾く。(音はCやB♭のようにアルファベットで考える)
- どこのポジションを押さえているかを理解しながら弾く。
- テンポ設定を速くしない。譜面はbpm=60としているが、もっと遅くてもOK。
- 一度もミスしないで弾けるようになるまで練習する。
フィンガリングの考え方
このジャズベース講座を読んでくださっている方は既にフィンガリングについてご理解されていると思いますが、ここでもう一度見直してみましょう。
フィンガリングで重要な要素は以下になります。
- なるべく多くの音をカバーできるポジションで弾く。
- ポジション移動する際に多くの音をカバーできるポジションを選択する。
- ポジション移動する回数を少なくする。
- 可能な限り小指から小指のシフティングを避ける。(グリッサンド等は除く)
- G・D・A音は音色とポジション移動が容易になる観点から開放弦を使用する。(フレーズにより押さえた方が良い場合もある)
上記をまとめると合理的で無駄がなく、可能な限りポジション移動を少なくするフィンガリングを選択することが上達の大きな鍵となります。
ダイアトニック・トライアド
トライアドを自由に弾きこなす基礎練習として、このPart20でダイアトニック・トライアドを題材とします。
ダイアトニック・トライアドとはダイアトニックコードの7度音を除いた、1・3・5度の3和音を意味します。
ダイアトニックコードについては以下でも解説しています。
以下はCメジャースケールのダイアトニック・トライアドになります。(上部にはコードネーム、下部にはディグリーネームを記載)
メジャースケールのダイアトニック・トライアドであれば、『Ⅰ』や『Ⅱm』などのディグリーネームは変わりませんので、4和音のダイアトニックコードと同様にダイアトニック・トライアドもディグリーネームで覚えましょう。Keyが変わっても直ぐに対応できるメリットがあります。
例えばKey=Fになってもコードの種類とディグリーネームは変わりません。
ダイアトニック・トライアドの練習
ダイアトニック・トライアドの基礎練習を2つご紹介します。前記したポイントを押さえながら取り組んでください。
- パターン1:上行形は1・3・5度、下降形は5・3・1度を弾く練習
- パターン2:1・3・5度と5・3・1度を交互に弾く練習
以下はKey=Cのパターン1と2の譜面ですが、パターン2を12Keyで書いた譜面はページ下からダウンロード可能ですので是非ご活用ください。
音符の上の数字はフィンガリング、下にはポジションを記載しています。
まとめ
ジャズベース講座・基礎編・Part20はトライアド(基礎編)について解説しました。
トライアドはジャズを演奏するための最も重要な要素です。注意事項とポイントを押さえながら、焦らずじっくり取り組んでください。『トライアドを制するものはジャズを制する』です。